10月24日(日) もうすぐ11月?!

長〜いこと日記を休んでしまってごめんなさい!皆様お元気でしたか?
私は7月17日に海外公演から帰国して、2週間後に初・夏期講習、『ガラ公演』『ドン・キホーテ』と続き、9月にやっと取れた夏休みには母娘二人で北海道縦断の旅…。OFFがある時は観劇や読書、ビデオ鑑賞もしました。そして10月の始めには和太鼓・倭の演奏(天響祭)を聴きに奈良まで一人旅!我ながら最近の自分の行動力には驚きます。そして8月からず〜〜〜〜っと、最も時間を裂いていたのは…初・自作自演曲を含む、バレエの創作活動でした。普段お手伝いさせて頂いているバレエ教室(スタジオ・ラデュ・さのバレエ)でのお仕事だったのですが、稽古場の主催者である佐野先生と、現在舞台監督として活躍されている浅香亨さんと私の合作という事で、演出家となる浅香さんのイメージを、佐野先生と私で動き(踊り)にしていく…という試みに挑戦していたのです。
ストーリーや曲、イメージを指定されての創作は本当に苦しいものでした。「この曲で作って下さい」と渡された曲は、当初の私には何度聴いても動きが浮かんでこず、本番ギリギリまで振りが完成しませんでした。生徒のみんなも初めての経験に面食らったりもしていましたが、何度となく皆で話し合いながら、全員が作品作りに参加した力作になりました。本番では照明スタッフの多大な協力によって、重厚感のある作品に仕上がったと思います。その本番も昨日無事終わり、今日は完全終日OFF!!とにかくのんびりと過ごしました(^o^)

では帰国してからのご報告を順を追って簡単に。
先ずは「夏期講習会」。私にとって初めての夏期講習会は「少人数、個人レベルでのレッスンで、受講者の方と直接会話をしながら、それぞれの方に上達を体感して頂きたい」という思いから企画しました。ですから大人の初心者の方のクラスも儲け、疑問に答えながらクラスを進めていきました。最終日、受講者の方々には感想を書いて頂いたのですが、皆様何らかの形で自身の体の変化を実感して頂けたようでしたので、私もやった甲斐があったと、大変嬉しかったです。ここでの出会いが、この先も続いていきますよう願っております。

8月の『東京バレエ団創立40周年記念ガラ公演』では大切な作品の一つ『パーフェクト・コンセプション』と大好きな『バクチ』を踊りました。『パーフェクト』では大嶋正樹を迎え入れ、首藤くんも指導に入り、5人でもう一度一から音楽と動きを明確にし、整理していきました。衣装(装置?)の四角い“座布団”も、キッチリとしたラインを出す為に少々メンテナンスをし、振りも衣装も一新。初演(1994年)からちょうど10年。10年前の私に作られた振りを一つひとつ確認しながら、10年前の自分に会ったような気持ちになる瞬間があって、ドキッとしました。『バクチ』はもう…魂を込めて踊るしかない。踊る事自体が儀式だから。役作りしているようでしていない。私にとってはそんな不思議な作品です。
リハーサルはどちらの作品も少人数で行っていました。隣のスタジオでは殆どの団員が『エチュード』や『レ・シルフィード』で汗を流していたので、みんなとは殆ど顔を合わせる事がありませんでした。更衣室で後輩達と一緒になると「あれ?幸江さん久し振り♪」なんて声をかけられました( ;^^)ヘ..「スタジオで会わないからね…。私も一緒に舞台出るんだからね〜?」なんて冗談を言うほど、隔離されたような日々でした(笑)。
創立40周年。私は来年でバレエを始めて30周年。東京バレエ学校でバレエを始めたから、人生のほとんどを東京バレエ団と共に過ごしてきた事になります。子供の頃から東京バレエ団の舞台を観て育ったから、殆どの先輩ダンサーを覚えています。その方たちが作りあげて来た歴史を感じながら、先輩方への敬意と、佐々木団長への感謝の気持ちを新たにした舞台でしたし、今このようにして踊れている事に責任と喜びを持って舞台に立てた気がします。
それから、東京バレエ団創立時より長年に渡りご尽力下さったスラミフィ・メッセレル先生が、6月に亡くなられました。私は中学生の時から夏期講習などで数回教わり、その後団員になってからも度々教えて頂きました。ピアニストが上手くテンポを取れない時に「この子に合わせて弾いて下さい」と私を指して言われた事があって、子供ながらに音楽を大事に踊っているつもりだった私は、その言葉を誇らしく思いました。団員になってからは、何かのパーティで近い席に座らせて頂いた事があったのですが、突然、先生は私に「あなたは良い教師になります。何故なら、とてもいい目を持っているからです。」と流暢な日本語で言われたのです。私はその頃、教えの仕事を始めたばかりで、その面白さも実感出来ていない頃だったので、その言葉は衝撃であり、今でも励ましになっています。先生はとても美しい日本語をご存知で、チャーミングな素敵な方でした。心から感謝と、ご冥福をお祈り申し上げます。
国境を越え、沢山の方々の力で今のバレエ団がある事。そして沢山の観客の方々の叱咤激励があって舞台は成り立ち、謙虚な気持ちで成長を続けていかなければならない責任を追っている現在の団員の一員である自分。ただのコンサートではない重さを、私は強く感じて舞台に立ちました。

『ドン・キホーテ』は凱旋公演という事で、フィレンツェ公演とほぼ同じキャストによって上演されました。私は“ジプシーの娘”を、とにかく沢山の日本の皆さまに観て頂きたくて、踊れる日を心待ちにしていたのでとても嬉しかった。ここ数年、激動したと言ってもいいこの人生を、どうしても踊りに込めて表現したかった。30代って、沢山の試練と喜びに揺り動かされる年代ではないかと思うのですが(厄年は2回もくるし!)「今なら踊れる」と思えたんです。人生を振り返る機会をくれる、魅力と踊り甲斐のある役です。

そして久し振りの長い休みを利用して行った母との北海道縦断の旅♪さすが晴れ女(母も私も)、台風の通り過ぎた翌日、快晴の中を出発しました。稚内→旭川→小樽→函館。旅行代理店のとても親切な方と母娘三人で2時間かけて練ったプランは最高のものでした!水族館、ソフトクリーム、海、三浦綾子記念館、うに丼、幌馬車、ラーメン、ホテルのBAR、温泉、部屋食、夜行列車……。二人だけの濃い時間。何度笑顔で乾杯したことか。このような時間が持てたことに、心から感謝!

そして10月上旬、和太鼓・倭の演奏を聴きに一路奈良へ!始めはバレエ団の仲間と行くはずだったんだけど、出発の日が迫るにつれて仕事が入ったりして一人減り二人減り…。結局残ったのは私一人。ツアー等で旅慣れてはいるけれど、一人きりの旅はした事がないからちょっと不安だった。でも倭のみんなが「泊まる所の心配は要らないから♪」ととても気楽に構えているので、「んじゃ行くか♪」と、奈良行きを決行!着いてみたら「ハイ、これ着て」とスタッフTシャツを渡されて天響祭というイベントのスタッフとして働いて来ました!倭のCDや太鼓のバチなんかを売ったり、舞台の掃除など。バイト経験のない私は物を売るなど、高校の文化祭以来だよ〜^^;簡単な引き算にもドキドキしながら「ありがとうございましたぁ(^o^)」と完全に売り子です。終演後はみんなとまかないを食べ、お風呂屋さんへ。文字通り寝食を共にしてきました。倭の長、マサさん(小川正晃さん)は「太鼓は呼吸が大事だからね、寝食を共にして団体行動を取ることで心も一つにしていく…」と話していた意味が分かるような気がしました。演奏中も倭はカッコ良い♪生意気だけど、空気が一つにまとまっているのが良く分かるんです。また来年も海外公演中に会いたいですね!

その他、合い間を見つけては舞台を観たり、本を読んだり、寝る時間を惜しんで活動していました。人が人と出会い、本や舞台や動物と出会う。すべてが本当に素晴らしいと思うんです。「私は人が好き」と、心から言えるようになりました。それは心が癒される場所を見つけたからかも知れません。
皆さんはどんな仲間に囲まれ、どんなものに出会っていますか?お互いに、心を動かされる事の気持ち良さを忘れないで、笑顔で生きていたいですよね?

もうすぐ11月か!今年も早かったな〜。11月は『白鳥の湖』と『ジゼル』でマラーホフさんと全国を周ります。各地で皆さまに会えるのを楽しみにしています。
今年は台風が多く、水害や地震も起こっています。どうか皆さまが心身共に健やかで過ごされますように、心からお祈り申し上げます。