7月22日(木) 倭(YAMATO)日記

ただいま!お陰さまで、先週無事 帰国しました。
留守の間もBBSで皆様からの応援に支えられてとても心強かったです。海外でPCを貸してくれた事務所にも、心から感謝しています。ありがとうございました。
帰国するや、すごい湿気と気温にまいっていますが、休んではいられない!来週末の夏期講習に向けて、着々と準備をしています。やりたい事が沢山ありすぎて、2時間では足りないかも知れません。参加して下さる方々、スタミナをつけていらして下さいね!(^^)/
では、海外公演最後の日記を書きます。
第21次海外公演・最後の土地は、ドイツのシュツットガルトでした。ミラノから飛行機で40分ほど。実はこのシュツットガルトに行くのを、私は楽しみにしていたんです。何故ならグラーツで出会った和太鼓の「倭(YAMATO)」の皆さんと、また再会出来る可能性があったから。

YAMATOの方たちとは、始めから不思議な縁がありました。グラーツのガラ公演での共演を始まりとして、様々な偶然が重なったんです。ガラ公演の時は、お互いに日本人と言う事で何気なく挨拶を交わし、当り障りの無い会話をしただけでしたが、15日後のシュツットガルトでの公演日が重なっていると聞いて驚きました。その時には「会えたらいいですね」という程度でしたが、次第に「会いたいですね」に変わっていきました。
最初の偶然は、グラーツ公演を終えてミラノへ移動する日に空港でありました。たまたま彼らの移動日と重なっていたらしく、そこで早くも再会したんです。それまでには、お互いの本番やリハーサルを見た後だったから「あれ?」なんて言いながら、搭乗時間までを一緒に過ごしました。その後私たちはミラノ、彼らはドイツのライプツィヒで公演し、私たちの方が1日早くシュツットガルト入りしました。彼らの出演する会場はどこかと調べてみると、ナント我々の劇場から徒歩10分!これは是非また演奏を聴きに行きたい!と強く思いました。

「YAMATO」の初日、我々はリハーサルだけだったので、早速仲間6人で聴きに行きました。演奏会場はほぼ満席。観客は我々黒髪の日本人が浮くほど現地の方たちばかりで、始まる前から「日本の団体の公演に、これだけの外国人が集まるって、何だか嬉しいね」と誇らしく思えたほどでした。演奏が始まると、観客も相当なノリの良さで、口笛を吹いたり笑ったり、すごい反応の良さでした。それもそのはず、YAMATOの舞台は本当に楽しくて、客席とのコミュニケーションはもちろん、見せ方が上手い。手拍子で観客も参加したり、奏者たちの冗談は言葉が無くても通じる万国共通のジョーク。なかなかのパフォーマンスでした。でも私が好きだったのは、暗転中の人の動き方。客席に姿は見えなくても、シルエットのように浮かぶ奏者の出入りを、わざと立ち位置の反対側の袖幕から登場させ、舞台上で交差してから太鼓の前に座ったり。暗転の中を静々と歩く奏者の横顔が凛と美しく見え、陰の部分も大切にする日本らしい繊細さがとても素敵でした。演奏も和太鼓だけでなく、三味線、琴、笛、歌など多彩。約10名が入れ替わり立ち代り、またソロを演奏したりと、全く飽きる隙を与えません。太鼓だけにスポットライトを当て、奏者の横顔がぼんやりと浮かぶ中での太鼓の音色は、特に艶があるように聴こえました。更に舞台奥に向かって太鼓を叩く奏者の後姿にはすっかり魅了されました。当たり前だけど、ダンサーの体とは違った筋肉のつき方、動きはとても新鮮です。。
終演後、自分の体をリズム良く叩きながら席を立つ観客がたくさん居ました。我々を見て、YAMATOの仲間だと思ったのか「良かったよ!」と言ってくれる人も居て、思わず「ありがとう!」と返事。それは仲間を誇らしく思うのと同じ気持ちでした。

終演後は、席で待つように言われていたので、静まり返った客席に居ると、しばらくして舞台上からYAMATOのメンバーが出てきました。先ずは代表者の小川正晃さん。彼は私と同じ1967年産まれ。年齢が同じというだけで親近感が湧きます。メンバーみんなが集まったところで記念撮影。この写真はYAMATOのHP(http://www.wadaiko-yamato.com/)のツアーリポートのところにアップされていますので、是非見てみて下さいね♪
そしてその後は近くのレストランで会食をする事になりました。私はマサさん(小川さん)と並んで座り、色んな話をしました。舞台人としての共通点が助けとなり、余計な前置きを省いて話す事が出来たせいか、以前から知っていたような、不思議な距離感で会話が出来たのは嬉しかった。彼がYAMATOを設立して今年で11年目。同じ歳でひとつの団体をまとめ、半年もの間海外公演をやっているそのエネルギーには感服します。話してみると、お互いに37歳という年齢を「良い時期だ」と捉えていました。自分の過去を振り返ってみると、少しは「こう生きてきたぞ」って言えるものがある。若い頃はガムシャラだったけど、思い返せば必要な時に必要な試練にあい、必要な人と出会ってきた。だからこの先の人生も楽しみだよね。歳を重ねる事は素敵なんだよね、と。少々お酒が入って盛り上がる若者に混じって、私たちはちょっとした語りムード(?)。でもチラッとバレエを踊って見せたりもして、本当に楽しい時間を過ごしました。YAMATOの若いメンバー達は舞台上では凄みがあったけど、普段はとっても好青年!ツヤツヤした笑顔が輝いていました。ひとつの事に打ち込んでいる人に共通の重みがあって、女性陣には潔さを、男性陣には優しさを感じました。それはダンサーも同じかな?^^;

ここでちょっと年齢の話しになりますが、ミラノでも同い年のスタッフ達と話す機会がありました。中には20歳の頃からの仲間で、互いに夢を語った同志も居ます。公演のある時にしか会わないけど、スタッフって出演者をすごく客観的に見ていて…怖い(笑)。ずっと昔から私を見てきてくれて、弱ってる時には「もっと頑張れ!」と直接的ではないけれど、励ましてくれた事もありました。楽屋で会った時の顔を見ると、大体の精神状態が分かるんだって。確かに精神的に弱ってる時、楽屋では仲間に悟られないように振舞うし、舞台上ではもちろんそんな事見せられない。けど、舞台袖で準備をしている時やレッスンの合い間のフッと気が緩んだ時の表情など、スタッフにはしっかり見られているんですよね。ダンサーとスタッフは同じ舞台を作る仲間なのに、関わろうとしないと意外とコミュニケーションを取ることが少ないから、これを機になるべく会話をしていこうよ!と話し合いました。
私は人の話しを聞くのがとっても好き。人が何を感じ、何を考えているのかに興味がある。自分に無いものを持っている人に出会うと魅力的だなと思うし、自分の考えている事を言葉にする事で初めて自分の思いを知る時もある。ましてやそれが同じ年齢となると尚更です。自分と比較してどうの…じゃなく、単純にこの人素敵だな、って思えるから。良い仲間がいっぱい居る!マサさんともいつか、友達になれると思う。いや、私はもう友達だと思っています(マサさんごめんね^^;)。海外に来て日本人と知り合えるなんて思ってもみなかったけど、これも大事な素敵な出会いだと感じています。

とうとうYAMATOの皆さんにはバレエ団の本番は観てもらえなかったけど(お1人には観てもらえましたが)いつかまたきっと会えるはず。。。なんて思っていたら、最後の偶然勃発!(大袈裟^^;)我々の最終公演日の昼間、私は日本の友人達へのお土産を探しに街をウロウロしていました。すると、YAMATOの若い奏者の方たち数名とバッタリ!「あ……」重なりすぎる偶然に、私は閉口。こうなったらバレエ団の打ち上げに来てもらおう!と、その場でお誘いし、終演後は合同打ち上げになりました。YAMATOの公演はまだ2日残っていたけど、劇場近くの屋台の集まりのようなところまで来てもらって、打ち上げ&親睦会。途中、バレエダンサー対太鼓奏者の腕相撲大会がありました。4〜5組やったかな?で、どっちが勝ったと思いますか?ナント意外とバレエダンサーが勝つ方が多かったんです。すると、「幸江ちゃんを持ち上げて鍛えてたお陰ですぅ〜!」と、一緒に“バルナ”を踊ったカズくんが言っていました。「重くて悪かったねぇ(▼へ▼メ)」と切り替えしたけどねっ(笑)
それと聞いて下さい!全然関係ない話だけど、隣に座っていた外国人のグループに、私はいきなり「君は何歳なの?」と声をかけられました。内心「突然失礼な^^;」と思いながらも「何歳に見える?」と問い返すと「いや、これは一方的な質問なんだよ」と言われ、仕方なく「サーティ・セブン」と指も見せながら答えると、途端に「ギャ〜〜〜!」と奇声が上がり、ガッツポーズをする人や残念がる人…。賭けをしていたみたいです。人の年齢で賭けをするなぁ!と思いましたが、恐る恐る「何歳だと思ったの?」と聞くと…(ドキドキ)…「22歳くらいだと思ったのにぃ〜」と返ってきたではあ〜りませんか〜(*^.^*)v「みんなみんな!聞いた?!もうこれは日記に書くしかないね♪」と一気に有頂天♪喜んでたのは私一人だけどね。日本人は若く見えると言うけど、15歳も若く見られる事は、この先二度とないであろう。。。うむ。

名残惜しく、話は尽きませんでしたが、こうしてシュツットガルト最後の夜も更けていきました。公演の方は『春の祭典』『火の鳥』『ボレロ』どの作品も、それぞれが燃え尽きるように踊りました。私の宝物『春の祭典』。次はいつ踊れるのか分からないけど、いつまでも風化することなく、この想いを心に留めておこうと思います。

私は今、すごく充実している。人と関わるのが、実は苦手な方だったけど、「友達って大事。人って素敵!」って今は素直に言えます。日本にも私を心から応援してくれる人たちが沢山居ます。人の心を大切にして常に感謝し、これからも精一杯生きたいな。
そして愛すべき人たちと、心豊かに暮らしたい。。。

マサさんをはじめ、YAMATOのみなさん。8月まで公演は続くそうですが、くれぐれも体に気を付けて。世界中に日本の強さと静けさ、そして美しさを振りまいてきて下さい。私はあなた方の友人として、心から公演の成功と無事に帰国する事を祈り、待っています。
そして、今後もお付き合いよろしくお願いしますね♪