7月8日(木) ブリュッセルの友人達

こんにちは、大変ご無沙汰しています。今ミラノに居ます。海外公演前半戦から帰国するや、沢山の仕事の山!日記も書いていたのに、今ひとつ仕上げられず、後半戦へと突入してしまいました。後半は移動日か公演日という感じ
で、毎日が慌しく過ぎています。でもいつもと分からず、とっても元気ですのでご安心下さいませ(^^)
ではまず前回の日記の続き、ベルギーのブリュッセルでの公演の事を。。。6月1日、チャーター機でドイツからベルギーのブリュッセルに移動しました。公演はシルク・ロワイヤルという円形劇場で、これまでも何度も出演しているところです。チケットが完売のため、急遽リハーサルの日を公演にあてるなど、2回の追加公演を含めて全7回の公演でした。プログラムは全て『ギリシャの踊り』『中国の不思議な役人』『ボレロ』。男性陣にとってはかなりハードな毎日だったのではないかしら?

私はほぼ1回おきに『ギリシャ…』では“バルナのパ・ド・ドゥ”を、『中国』では“若い男”を演じました。どうも“若い男”姿(シャツにネクタイ、ベストにジャケット、半ズボンに靴下、帽子と眼鏡に口ひげ)の私は、未だに団員達も見慣れないようで、目が合えば笑いを堪える顔ばかり…。団長の佐々木さんまでニコニコなさいます。「いい加減、見慣れて下さい!^^;」とは言ってみたのですが…。「幸江さん、相変わらずその恰好すると可愛いね」とは順ちゃん(高村順子)。「その恰好すると、って何よ!ヽ(`Д´)ノ」と反撃はするものの、効果ゼロ。出番前、みんなと歓談するうちに、付け髭が取れそうになってきて、楽屋に戻ってつけ直す日もありました。『中国…』の前の休憩時間は『ギリシャ…』の後だからか、みな少々テンションが高く、和気藹々としています。そんな中、シェフや役人、娘役のダンサーたちはそれぞれ集中力を高めていきます。彼らが舞台上に現れると、我々も本番に向けて準備を始めます。ツアーも後半になってくると、それぞれがテンションのあげ方や集中の仕方を心得てくるので、本番前は声を掛けられたくない人や、わざと誰かとふざけてリラックスする人などそれぞれですが、周りのみんながそんなソリスト陣を理解し、見守ってくれます。仲間同士色んな事を理解して許し合い、そして応援してくれる。バレエ団の温かさを知る一瞬です。

仲間と言えば、『THE KABUKI』初演の1986年に、私や高岸直樹くんと一緒に入団した日玉浩志くんが現在ベルギーで活躍しています。彼は東京バレエ団に居る頃から作品づくりに興味があって、退団してからは振り付けの勉強をしたり、ベルギーでは自分のカンパニーを持ったりして活躍していました。私と同じ年齢と言う事もあって、昔から腹を割って話す事の出来る仲間でした。滅多に会えないし連絡もしていなかったけど、会った時には何でも話せる貴重な友達です。今回はじっくり話す機会があったので、この旅の間に感じた事や悩んでいる事などを話しましたが、ここ数年の私を知らなくても、的確に意見を言ってくれる。ホントに良い奴です。「奴」って言い方は良くないけど、そんな言い方が似合う人なの。
他にも、スター・ダンサーズバレエ団で活躍していた、遠藤康行さん・須永りえさん夫妻ともお会いました。ご自宅にお邪魔したんだけど、2人共変わらず明るくて、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。美味しいお酒が飲める仲間、っていう感じかな。海外公演に出て、そこで活躍する仲間と会って話す事が出来たのは、とても嬉しかった。異国の地では苦労も沢山あると思うけれど、思う存分才能を発揮して下さいね!心から応援しています!

ところで公演中はどんな出来事があったっけ?何だか遠い昔の気がする…。ベルギーでは以前、ベジャールさん率いる20世紀バレエ団があったことからか、今でも彼の作品に対しての関心が深いようでした。7回の公演ともほぼ満席で、最後の演目『ボレロ』の後のカーテンコールは特に長かったです。そういう土地でベジャールさんの作品を踊るのはどういう気持ちなのか?と良く聞かれますが、私は特に気持ちに変化はありません。海外に出ると、特定のファンの方が居ないせいか、日本とは違った緊張感もありますが、ベルギーだからという感情はありません。ホテルと劇場を行き来し、個室の楽屋を与えられて本番の準備をし、そして踊る。毎日、本当に充実していて幸せでした。確かに国ごとに反応は異なりますが、日本でも日によって反応が違う事も多々あるので、「イタリア人はこういう反応。ドイツはこう」と断言は出来ない。その日その日を新しい一日と捉えて楽しんでいます。

5月にイタリアに着いた頃は朝晩は特に寒くて、ヒーターを入れたり、コートが欲しかった日もあったけど、ベルギーでは日焼け止めを塗って散歩をしていました。唯一のOFFの日は、タケの赤ちゃんのお誕生祝を探したり、家族や大切な人へのお土産探しに一苦労しました。何故って、方向音痴だから「やっぱりあのお店に戻ってアレを買おう!」ってお店に戻る事が非常に難儀だからです( ;^^)ヘ..自分へのお土産は…フィレンツェで買ったガラスのペン(インクをペン先につけながら書く)とブリュッセルの劇場で売っていたジョルジュ・ドンさんの舞台写真。そしてランチョンマットを2枚です。あとは胃袋に入っちゃいました(笑)

手紙を書いたり、散歩をしたり…スケジュール的には比較的のんびりとした前半戦でした。しかし、後半戦はそうはいきません。日本で体調を整えるはずが、あまりの忙しさに、早く旅立ってしまいたいとさえ思いました。でもこうして充実した日々を送れることに心から感謝しています。そしてよい舞台を作るために、今もみんなで力を合わせて頑張っています。

後半戦も佳境に入り、8月のガラ公演に向けての準備をするダンサーも増えてきました。忙しい中でも常に次の舞台を目指し、仲間同士注意し合って頑張っています。舞台を沢山踏んで、みんな強くなってきたと思います。良い状態で日本の舞台に立てるよう、これからも努力します。

さぁ、今日もミラノは蒸し暑いけど、劇場までの道のりを散歩をしながら楽屋入りしてきます!