8月10日(日) 『DUO』公演を終えて

世界バレエフェスティバル、いよいよガラ公演突入ですね!台風一過の抜けるような青空のように、ダンサーの皆も疲れを吹き飛ばして楽しませてくれると思います(^o^)
フェスティバル形式は、観る側だけでなくダンサー達も出会いや再会を楽しんだりしているのですが、私も他のバレエ団の方と一緒に舞台に立つのはとても楽しかった。しかも、東京バレエ団以外の男性と組んで踊ったのはホントに初めて!今日はDUOの話をします。

私は高校生の時から数年間、スタジオDUOで田中洋子先生に教えて頂いていました。洋子先生は先生と言うよりは、憧れのダンサーであり先輩で、子供の頃からずっと観てきました。軽やかで美しいつま先と手先は私の目を釘付けにし、先生の主演する舞台を観にいくと「この人、私の先生なのよ♪」と得意げに拍手をしていたのを覚えています。指導者としては生徒達をとても可愛がっていて“心配症”と言えるくらい。親と同じ気持ちなんだろうと思います。今でも私の事を気にかけて下さり、今回私は出演させて頂いている気持ちなのに、先生は「出てくれてありがとう」とおっしゃる。とんでもない!こんな素晴らしい機会を与えて下さった事、とても感謝しています。洋子先生、ありがとうございました。

DUOの舞台に出たのは何年ぶりだろう?20年近いかな…すごいね、それも^^;その20年近く前に発表会に出た時は、私の胸元くらいの身長しかなかった日原永美子ちゃんと林麻衣子ちゃん(二人は現在、谷桃子バレエ団所属)と、今は同じ目線で舞台に立つなんて、当時は考えもつかなかった。この二人とは篠原聖一さんの『シンフォニー NO1』という作品で、3つの楽章のエトワールを踊ったんだけど、偶然3人とも身長がほぼ166センチと揃っていたので、一緒に踊るところでは揃ってて綺麗だと言われました。年齢は全然違うけどね(汗)
永美子ちゃんは子供の頃から“超”が付くほど真面目で、ロシアに留学したと聞いたときは、努力の賜物だと嬉しく思いました。今回も、私のアドバイスに応えようと真剣に自習を繰り返していました。麻衣子ちゃんは当時から可愛い顔が殆どかわらないのだけど、踊りは立派に成長していてビックリ。ジャンプ力と華があるので、良いダンサーになって欲しいな。

舞台までの苦労話しばかりではつまらないので、今回は先ず楽しい話を…。
先ずはスターダンサーズバレエ団の面々。新田和洋さん、新村純一くん、橋口晋策くん、友杉洋之くん、小濱孝夫くん。。。なぜ新田さんだけ「さん」なのでしょう?あのね…(新田さんこの日記見てたらごめんね)図々しくも…新田さんは私と同世代だとばかり思っていたんです( ;^^)ヘ..年齢を聞いてみると28歳。8歳も年下ぢゃ〜ありませんか!?リハーサル中は常に落ち着いた物腰で、私にも適切なアドバイスを沢山下さっていたので、今でも敬語&「さん」付けなのです。。。でも「酔っ払うと酷いですよ」とは本人談。
新村くんとは、あるいさかいがありまして…リハーサルしてまだ数回しか会ってないのに「井脇さんて、アルフィーの高見沢さんに似てますよね…」と、踊っている合間に突然ボソッと言われたの!高見沢さんって男性だよね?!一瞬“なぬ?”と思ったけど、結構傷ついたな〜( p_q) それからはたまに冗談言ってからかったり…私の復讐劇は始まったのです(笑)でも本番の日「新村くんって、岸谷五郎さんに似てますよね。ふふ」と書き添えてお菓子をプレゼントしたのを素直に喜んでくれたので、これで仲直りね(?)でも彼は体が鍛えられていて動きもシャープでオーラがあって、スタ団を背負っていくダンサーなんだなと、感心していました。ホントだよ!
次に、稔さんからは「しんさく」「ともすぎ」「たかお」と呼ばれていた若手3人衆。晋策くんは動きが自由自在で、どんどん動きを開発していく…それを見て稔さんも「もう分かったから!」とか「何だ?お前のそれ」と面白がっていました。この先も何かやらかしてくれそう!彼の成長は外部の人間ながら楽しみです。友杉くんは閃きの人。稔さんが「こうやりたい」とイメージを告げると、彼の意図を体で表現する事が出来て、稔さんにも出来ないような動きをやってのけてしまう…この二人の作業を見ているのは、すごく興味深かった。『D・O・C』のラストシーンで独り独自の動きをしていた彼に、目を留めた人も居たのではないかしら?そして孝夫くんは地道に頑張る人で、めげずに取り組む姿に好感がもてました。
この5人に助けられて、みんなと過ごした時間はとても新鮮で素敵なものでした。いつかまた同じ舞台に立つ事がありますように…と、願っています。みんな、ありがとうね♪

そして森田健太郎さん!言わずと知れた、牧阿佐美バレエ団のプリンシパルで、サポートが上手な事ではバレエ界で評判のダンサーです。リハーサル中の彼は時々冗談を言っては場を盛り上げてくれますが、根が真面目なのだろうと言う事はすぐに分かりました。私はついついいつもの癖で、男性がやり難くないかを気にして「やり難いですか?」と聞く私に、「いや、幸江さんの好きなように動いて下さい、僕がついて行きますから」と、先ずは受け止めてくれる。その上で「もっとこうしましょうか?」と女性が踊りやすいポジションを探し続けてくれる優しさ。女性ダンサーからモテルわけはココですね?!数回しかリハーサル出来なかったけど、安心感が揺るがなかった。すごく気持ち良く踊れました。人間的な大きさも、サポートの上手さに関係しているんだろうな…ありがとう、健太郎さん!

子供の頃から東京バレエ団関連の所から出た事のない私にとって、今回の出会いは特別で新鮮でした。私の知らないところにも、才能に満ち溢れた人たちがいっぱい居る。これからも、そんな人たちと沢山出会って、一緒に仕事がしたいと強く願っています。共演して下さった皆様、本当にどうもありがとうございました!

そして振付家の先生方のご紹介です!『シンフォニー NO1』振付の篠原聖一さんは、とても素敵な方で見た目も王子様♪でも…リハーサル中は「え゛?(*_*)」と思うような冗談を連呼なさいます。。。このアンバランスなところが魅力かな。作られた振りも、流れがおしゃれで素敵。難しかったけど、流れがあるから踊っていて非常に気持ちが良かった。ダンサーへの注意も的確で、個性や癖をサッとキャッチしてしまうので、その辺ではちょっと怖かったな。私の事は「横顔がシャープなんだよね、もっとうっとりと踊って」とおっしゃいました。そうなんです!って感じでしょ?他のダンサーについてもド真ん中に注意をしていらっしゃいました。
『D・O・C』振り付けの鈴木稔さんは熱い方。はじめの2〜3ヶ月はワークショップのように、基礎から丁寧に指導してくださいましたが、ある程度時間が経つと要求される事も高度になってきて、どんどん動けと言われました。「踊らないで、動くんだよ!」という言葉は衝撃でした。甘える事を許さないので、毎回自分の集中力との戦い。早い段階から自由に動く事を求められたけど、自由に動くには私の中に蓄積されたものが少なすぎた。それは単純に復習不足でしかないのだけど、カタコトの言語しか知らないのに、文章を書かなければならないようなプレッシャーがありました。だから要求には応えられず、随分と稔さんの頭を悩ませたと思うけど、根気強く作品を完成へと導いて下さったご苦労にはとても感謝し、また申し訳なかったと思っています。だからたま〜に「そうそう、今の」と褒めて下さった時は嬉しかったな!本番は終わってしまったけど、まだまだ踊れてない。動けてない。『D・O・C』を1回の舞台で終わりにしてしまうのは非常に残念でなりません。実は秋に地方で、去年DUOのために作った彼の作品を踊らせてもらえるかもしれないの。いつかそのリハーサルにも入ると思うけど、断然!頑張っちゃうもんね!(`0´)ノ

そして監修としてリハーサルを見て下さった私のバレエの育ての親、アベチエ先生。13歳から18歳まで、東京バレエ学校で教えて下さいました。当時はとても厳しい指導で何度も叩かれたけど、今では会えば抱き締めて下さるほど。「彼女は東京バレエ団のプリマなのよ、娘みたいなものなの♪」と嬉しそうに私を人に紹介して下さいます。そばに居て下さるだけで、何となく安心でした。

最後になりましたが、外部出演を許可して下さった佐々木団長、司朗先生。気持ち良く舞台に立つために身の回りのお世話をして下さったご父兄の方々にも、心から感謝しています。ありがとうございました。

DUOの公演に出たことは、一生の思い出になると思います。