8月7日(木) 完走して黄昏て…
いや〜、終わりました!今年の山場?!なんて、ちょっと大袈裟かな。でも完走した気分で、ただいま黄昏ています。
2月下旬からDUOの公演のために(鈴木)稔さんのスタジオに通いはじめてから約半年。私の手帳は予定で「真っ黒」と言って良いほど毎日何かしらしていたな。。。普段から忙しくお仕事をしている方には、たかが外部に出ただけで…と言われる事かも知れないけど、私にとっては刺激的な半年でした!
今日もバレエ団でレッスンしてきたけど、昨日の公演の興奮はまだ体に残っていました。昨日の『ジゼル』は近年稀に見る盛り上がりでしたね!繰り返されるカーテンコール…どん帳の裏(ステージ)では、さすがのフェリもマラーホフも目を真ん丸くして、「いつまで続くのかしら?!」と疲れたジェスチャーをしながらも、とっても嬉しそうでした(^o^)
そうそう!一つ言い訳させて!!
最後に幕が閉まる時、私だけ場違いな雰囲気で客席に手を振ったでしょ?「あら?何で井脇さんだけ?」と思った人も多いはず。家族の者は「こっちに手を振ったの?でも何かヘンだったよ?」と不可思議な顔をしていましたが。。。違うの!o(>ω<
)o
あまりに続くカーテンコールに、佐々木団長が「そろそろ手でも振って終わりにしたら?みんな、手を振ったら?」と、舞台袖から指示を出していたんです。幕が上がる前にみんなに「手を振るんだって!」と知らせたのに…のに……。実際手を振ったのは私ただ一人ぢゃぁありませんかっ!振りながら気づいたよ。。。幕が下りてから、すぐさま下手側に居た(佐野)志織ちゃんのところに飛んで行って、「も゛〜〜!手振ってよぉ!」と泣きついたけど、「え?ホントに振ったの?」と笑われ、私の後ろに居たコール・ドの女の子達は「私たちはコール・ドですも〜ん♪」と裏切られ…(
p_q) 幽霊のミルタは顔を真っ赤にしていたのでした。。。あ〜恥かしかった!
では、気を取り直してミルタの事から。
今回は、リハーサルしていて「悲しい」という気持ちになりました。何故か分からないけど、ふとそう思ったの。これまでは自分(ミルタ)の生前を思い出し、裏切った相手を許さないという気持ちから、男性に対する嫌悪感だけでヒラリオンであろうがアルブレヒトであろうが、命を奪うほど「男性」という者に対しての恨みと怒りがあった。でもジゼルとアルブレヒトの愛し合う姿や、ジゼルがアルブレヒトを許す姿を見て「何故?」と心が動き、自分が本当に相手を愛していたのではなかった事を知らされて辛くなる。。。というのが、これまでの私の解釈でした。でも今回は、この辛い感情とは少し違って悲しかった。でもかと言って、ミルタたるもの、眉を八の字に下げて悲壮に踊ったのでは物語が変わってしまう。だからこの悲しみは、私の心の中だけにしまって踊ろうと思いました。それに、マラーホフが来て一緒に舞台に立てば、以前と同じ気持ちになるかもしれない。勝手な解釈で役を変えてしまう事は出来ないものね。
マラーホフと打ち合わせをしたのは本番の前日、ほんの数分でした。「ユキエ♪オハヨゴザイマス!」「おはよ〜♪元気?」「(笑顔で頷き)(ユキエが)ミルタ?」「そうよ、マイムは何か変わった?(カタコト英語で)」「ううん、同じ(立派な英語で)」と、2幕のか絡みの部分をざっと確認。ちょっぴり注文の多いアルブレヒトなんだけど、気持ち良く踊って頂ける様に、100%リクエストには応えたつもり。フェリは前回と少し違って、近くまで歩いて来て欲しいと言われました。私は空間を潰してしまうような気がしたけど、素直にやってみるのも大切だと思って、思い切ってそばまで行ってみた。2幕がはじまる前にもフェリは「グッとそばに来てね?」と冗談で顔を私の目の前まで寄せて来て、「この距離で引っ張られるように歩きたいから」と大きな目を更に見開いて、大アップ!「はい!」と私も精一杯目を開けて答えました。舞台前に、あんなに明るい彼女を見たのは久しぶりだったな。
実際の舞台でも、やはり悲しみはあった。ジゼルとアルブレヒトを視界に入れるのが辛いけど、でも凝視していなければ負けそうな自分と戦ってた。
ミルタは…自殺したんじゃないかな?生前の彼女は、何よりも自分が大事だったんだと思う。その自分を愛していたはずの男性の裏切りを知って、見せしめのように自分の命を断ったんだと思う。その男性を愛していたんじゃなく、自尊心を傷つけられた事に耐えられなかったんじゃないかな?だから、死なずに生きていたら、私ももっと人を愛せたんじゃないか…愛されたんじゃないか…って、そんな事も考えた。舞台の上手でね。
だから4時の鐘の音を聞いたとき、これまで以上に救われた気がした。もしかしたら…ミルタは成仏(?)したんじゃないだろうか?もう、あの森は恐れられないんじゃないかとさえ思った。そうやって後ろ向きにパ・ド・ブレをして去った気がする。
マラーホフの目、フェリの体で訴えかけてくる表現。昨日の空間で生まれたものは、昨日だけのもの。ずしりと重たく心に残りそうです。
群舞も非常に頑張ったと思う。ほとんどが新人で、自習の仕方さえ分からないような子達だったけど、アドバイスを受け入れてくれたと思う。最後の最後まで、私は「一人ひとりが幽霊なんだよ?」と、ポアントの音についてはうるさく言い続けました。少しは消せていたかしら?来週あたり、本番のビデオを見てみるつもりです。
『ジゼル』はやっぱり好きな作品だな。奥が深くてドラマティックで音楽も素敵。ゲストの人によって自分も変われて新鮮でいられる。
応援して見守って下さった皆様に、心から感謝しています。昨日の客席の熱気は舞台上では助けとなって感じていました。のせて、のせられて…相乗効果♪温かい拍手をありがとうございました。次に向けて、また頑張ります。 |