5月14日(水) 『眠れる森の美女』

3日間の公演が無事終わりました。沢山の励ましのメールや書き込みをありがとうございました。とても励みになっています。また終演後に楽屋口で声を掛けて下さった方々や、お花などプレゼントして下さった方、そして感想を聞かせて下さった沢山の方々…本当にありがとうございました。心から感謝しています。

何から書こうかな?話したい事が沢山あって迷ってしまうんだけどね…。

先ずはポリーナ。ゲネを合わせて4日間連続で良く踊りきったと思う。毎回テクニック的にムラも無く、とても集中していたと思う。いくら18歳で若いとは言え、オーロラ姫は体力的にかなり辛かった筈なのに。11日の日曜日、最後の幕が下りた瞬間に、あの舞台の台の上でアラベスクをしたまま大きな口を開けて「やった〜♪」と叫んでいたよ。そしてカーテンコールに出る為に下手袖にハケて来てから、感極まって私に抱きついてきた。「スパシーバ(ありがとう)」とかなりギュッと強く、腕に力がこもってた。彼女は他のバレエ団にゲストとして出演するのは今回が初めてだったらしく、色んな不安や気疲れもあったと思う。舞台袖では殆ど無駄口をきかず、トゥシューズを丹念に選んだり縫ったりする姿は真剣そのもの。そんな彼女の真剣さや純粋さは舞台からも伝わったでしょ?初々しさの中にもすでに貫禄さえ感じられて、堂々としたオーロラ姫だったと思う。演技もとても自然で、表情に嘘が無いのが好感が持てて、目を見てお芝居をする時は本当に無垢な少女そのものだった。彼女のジゼルが観たいな〜なんて思ったりしてね。一緒に会食した時は素顔のままで、時には顔をくしゃくしゃにして無邪気に笑ったり、本当に可愛らしい女の子でした。これからもどんどん来日して、踊ってもらいたい!

マラーホフ君は、今回はとてもハードスケジュールだったの。来日の前日まで舞台があったらしく、ナチョ・デュアトとバランシンを踊ってきたと言ってました。でも今回は常に明るく冗談もいつも通りで、またレッスン中に「ユキエ!」とアゴで呼ばれ、一緒にグラン・ワルツを踊らされた^^;ポリーナに対してもとても優しく接していて、頼もしかったよ。ただ、やっぱり『眠り』だと出番が少ないよね?もっと彼の踊りも観たい。…それにしても、彼の衣装はカッコ良すぎ…反則(笑)

我が東京バレエ団も女性は特に頑張りました!
特に新キャストのリラ&カラボス。今度改めて書くけど、二人共初めてのソロの役に潰されそうになりながらも、本当に努力していた。(福井)ゆいちゃん、(大島)由賀子。お疲れ様でした♪
そして中堅層の踊った“パ・ド・カトル”は特筆したい。金の精の(太田)美和ちゃん、銀の精の(小出)領子ちゃん、ダイヤの精の(荒井)祐子ちゃんにサファイヤの精の(高村)順ちゃん。特に11日の踊りはすごく盛り上がったよね。金銀の精は糸で繋がっているかのように二人が揃っていたし、テクニックも安定してた。祐子ちゃんはいつものように余裕の踊り。順ちゃんも愛らしく軽やかで、コーダのあの速いテンポのフェッテには、モニターテレビで見守る私も鳥肌が立つほど4人の呼吸が合っていて、盛り上がったと思う。東京バレエ団は男性のバレエ団だと言われてしまう事があるけど、女性を代表して頑張ってくれた気がして、すごく嬉しかった。女性ダンサーには、コツコツと何十年もかけてやっとソリストの役に着けるという厳しさがある。だからこそ築き上げられた“強さ”がある。その強さを笑顔で表現してくれた4人に、私は拍手を送りたい。手前味噌と言われようが、今回の彼女達の頑張りは、先輩として評価してあげたいと思っています。彼女達は『白鳥の湖』でも重要な役を踊るけど、自信をもって舞台に立って欲しい。

私の今回のカラボスについて、そして由賀子のカラボスについては、また改めて書くことにします。そしてリラの千春とゆいちゃんの事も。
舞台はダンサーを育てますね。すごくそれを感じています。観客の皆様の為に私達はさらに上のものを目指していかなければ。『白鳥の湖』に向けて、後輩達を厳しい目で見、導いていく事をこれからも続けようと思います。そして自分に対しては今までと同様に力を緩める事無く、研究していきます。

いよいよアニエスとマルティネスもやってきます。あの『バヤデール』で魅せてくれたものを期待して、明日もリハーサルに行ってきます!