3月30日(日) パリ・オペラ座『ラ・バヤデール』現在来日中のパリ・オペラ座バレエ団の28日と29日のマチネ公演を観に行ってきました。演目はヌレエフ版『ラ・バヤデール』。1992年に初演された頃の舞台映像がテレビで放映された事もあるので、ご覧になられた方も多いでしょう。ヌレエフ版は彼が重い病気だった事もあり、第4幕まで作る時間がなく3幕の「影の王国」のシーンで幕を下ろしますが、そこにもヌレエフの影があるような気がして、単に舞台が終わったというのではない重みを感じました。それは舞台が本当に生きていたからだと思います。とても良い舞台でした。初日に主演する予定だったニコラ・ル・リッシュが本番前日のゲネプロで肉離れをおこしてしまい、急遽ペアが変わるといったアクシデントがあったのですが、コール・ド・バレエまでしっかりと踊りこまれた作品には、そのようなアクシデントをもろともしない強さがあってとても素晴らしかった。 今回私は特に、アニエス・ルテステュにとても魅力を感じました。2年前に東京バレエ団の『白鳥の湖』にジョゼ・マルティネスとゲスト出演した時は動きが重たく感じて、そばでレッスンを見ていても、とても美しいけれど「ん〜」という感じ。今思えばちょっと調子が悪かっただけなのかも知れないけれど、本番中も「頑張ってね!」と声をかけたくなるような印象がありました。でも今回スタジオでのレッスンを覗いてみたら、彼女を取り巻く空気が違っていました。彼女は普段から物静かで、レッスンでもハデさは無くとても真面目。でも地味というのでも無くとても堂々としていました。それが貫禄なんでしょうね。体もとてもスリムになって上半身が柔らかく、これぞフランス!というイメージでした。それにしてもあの女性らしさを失わない細さって憧れるな♪日本人はガリガリになっちゃうもんね?(私はそこまで痩せられないけど…) 彼女のニキヤは、控えめな表現の中にも熱い心の動きが見えて、時に激しい表情や動きをしてもそれが取って付けたようにならない。テクニックの安定感も抜群。でもその動きに甘んじる事なく表現の一部でしかないと言うようにさらりと流れていく様はとても洗練されて見えました。踊りのちょっとした間にも、彼女独自のものを感じたし。世代交代が始まっているオペラ座を背負っているという誇りからくるものかしら?それに、あまり練習出来なかったであろうパートナーのバールにも信頼して体を預ける様子には感動しました。人を信じる強さもあるなんて素敵…かなり彼女に惚れちゃったみたいです♪ もう一人のニキヤ、オスタも繊細で美しい人でした。でも個人的には3幕での目の表情がもっと見たいと思った。1,2幕が良かったから尚更。 このような一流の方々と共にレッスンしたり舞台に立てるのが、東京バレエ団の素晴らしいところの1つです。(パトリック)デュポン、プラテール、ルグリ、ギエム、イレール、(オレリー)デュポン、マルティネス…私も数多くのオペラ座のダンサーと共演しましたが、いつも共通して感じるのは、小さな頃から「勝ち進んできた」自信がどのダンサーからもみなぎっていて、自分に厳しいという“本物のプライド”を持っているという事です。プロのダンサーとしてあるべき姿を間近で見て学ぶ事が出来るのは本当に大きなものです。佐々木さんに感謝!! 5月の『白鳥の湖』ではアニエス&マルティネスと再び共演します。今まではオデット&オディールも自分からは少し遠い役だったけど、舞台を経験した後ではまた感じる事が違うんだろうな…。皆様の心に残るような舞台に出来るように、明日からまた頑張るぞ!! |
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