2月9日(日) 舞台について踊る事だけではなく演じる事も楽しくなり、演技について考えるようになった頃から、バレエ以外の舞台が観たいと思い続けてきました。でもなかなか腰が重かった。単にどこで何をやっているか分からなかったし、何を観たいかも漠然としていたから。昨年末の『THE
KABUKI』のプログラムで中村吉右衛門さんが「自分の世界だけにいたのでは、新鮮な感動って得られないでしょう?全く違うジャンルのものを拝見すると、それが糧になるんじゃないかと思いますね」とおっしゃっていた事にとても共感し、改めてその事の重要性を知らされた気がしていました。そしてその公演で、俳優を志す青年と知り合えたのをきっかけに、私はやっと“演劇”に触れることが出来ました。 いよいよ幕が上がってお芝居が始まるとすっかり見入ってしまって、役者さん達の表情、声、しぐさに魅了されていました。「花組芝居」という劇団は全て男性で、女性の役は女装して演じられていました。男性が女性を演じる面白さ、これは喜劇をさらに喜劇にしてしまう。笑顔ひとつだけでも妙に艶やかだったり不気味だったり…悔しいけど女性にはあの女らしさって出せない気がした。観ていて一番感じたのが“間”。フッと素になったり、役者さん同士が駆け引きをしているみたいに作られた“間”に、たまらなくワクワクしました。単純に言えば、いくら練習しても慣れる事のない新鮮さ。そんなものを感じたから観ていてドキドキしたんじゃないかな?いくら練習を重ねても、新鮮さを失ってはならない。。。お芝居は何日も連続して上演するし、一日二回公演もあるけれど、まるで今始めて舞台に立っているような新鮮さがあった事に尊敬すらしました。 そんな舞台を心から楽しんでいた私は例の「階段」の存在など頭からすっかり消え去っていました。すると、住職役の俳優さんが階段に向かって歩きながらこう言ったのです。「せっかくチケットを買ったのに一番前の席で、スピーカーが邪魔で、観難いはうるさいはとお嘆きの…アナタ!」その「アナタ!」のところで、一気に視線を私に向け、一直線に階段を下りてきました。そこからはもう悪夢…いえ、恐怖…そう、恐怖だったよ、あれは!!! と、演劇初体験はかなりインパクトが強かったけど、それから二日後に今度は水戸芸術館へ『スカパン』というお芝居を観に行きました。この舞台では舞台に立って人を引き付ける事の難しさを感じた。役者さんは声質も大事ですね?強弱だけじゃなく声音で気持ちの入り方が分かってしまう。緊張しているのか「台詞」にしか聞こえない瞬間もあったし、逆に殆ど聞き取れないけれど胸にグッとくる台詞まわしに魅力を感じたりもした。役者もダンサーも表現者として共通点が沢山ある事を肌で感じた舞台でした。劇場の広さにも関連するけど目だけでは伝わらない、気持ちがあるだけじゃ見えない。全身が語らないと人を感動させるのは難しい。だからと言って大袈裟過ぎては嘘に見える。表現するって、伝えるって、すごく難しい。でも、人に感動を与え元気にしてあげられる。心に栄養をもたらせる事が出来る舞台芸術って本当に素敵。今、世間では心が乾燥しきっているような出来事が後を絶たないし、人は皆、悩みや問題を抱えて日々何かと戦っているけど、だからこそ、こういった舞台が人の心を癒し、笑顔を取り戻すきっかけになれる、この世に無くてはならないものだと、自分が舞台人である事を忘れてそう思えた。総合した“舞台”という世界に興味を持ちました。…私が女優さんだったらどんなお芝居をするんだろう?なんて想像しちゃったりね。 そして先日、我が東京バレエ団の後藤晴雄くんが俳優に挑戦しました!劇団俳協の『奥様お手をどうぞ』を青山円形劇場に観に行きました。これまでの二つの演劇を観て、ダンサーである晴雄くんがどんな風に“演技”をするのか興味があった。実際に彼が舞台上に現れた時には「あ!もう出てきちゃった!」と偶然隣の席に座った芝ちゃん(芝岡紀斗)と緊張していましたが、あれ?いつもの稽古着だ…という出で立ちで現れた晴雄くんは、彼らしく緊張する雰囲気もなく、でも初々しく演じていました。ダンサーの役という事で、ダンスシーンでは本領発揮。鍛え上げられた美しい体のラインを生かして、伸びやかに繊細に…彼の良さが際立っていた。きっとこの舞台で何かを掴んだのだろうと思うと、羨ましかったな。 意外と私は出不精で、誰かに誘われないと外に出る事が無かったけど、これからは一人でもどんどん色んなものを観てみようと思います。あ…もしオススメのものがあったら、是非教えて下さいね?!今年はバレエ団の舞台がちょっぴり少なめなので、自己投資の年にしよう!どんどん外に出て行こう。街に出るだけでも刺激ってあるもんね? 私も、留まってはいられない!!! |
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